最近定着してきた、春に財布に新しくすると縁起が良いという話。
その由来はお金で財布がパンパンに張るからだそうで(ダジャレかい!)
バレンタインと一緒で業界側が仕掛けた「イベント」だろ!と勘繰る私。
でも、春は新しい出発の季節。
入学、就職など気持ちを切り替えるのに財布を新調しようかなと思う人も多いのかも知れません。
自分で買わなくてもお祝いで貰える場合もあるでしょうし。
うん、なんて良い季節なんでしょう!(笑)
3年おきに買い替える?
どうやら風水では3年おきに買い替えると良いと言われてるそうな。
長く使い続けると運気が落ちるとか落ちないとか・・・
私はその手の物は全く信じてないので、これは風水やってる人と業界が癒着して財布が売れるように印象操作してるんじゃね?とやっぱり疑ってしまいます。
ここで、革職人である私がお財布の買い替えのタイミングを提唱しましょう!
それは!
あなたのタイミングでいいんです!
買い替えようかなと思ったらお別れしていいと思いますし、まだまだ使いたいと思えば糸の補修等メンテを施して使い続けるのもありです。
年季が生み出す革の魅力
ヌメ革の最大の魅力はエイジング(経年変化)
つい先日も約8年ぶりに私の所に里帰りをしてきたアイテムがありました。
嫁いだ我が子が大切に使ってもらえているのは、革職人冥利につきます。
ありがとうございます!
ここで、少しその我が子のメンテの様子を紹介します。
気になる状態は糸のほつれとやや革のオイルが抜けて乾燥気味なところ。
気になる糸はすべて取り除き。
ステッチ補修完了、このあと保湿クリームを塗って全てのメンテ完了。
どうですか、これぞエイジングの極み。
素材は栃木レザーのサドル。お見事です!
続いて、メンテの依頼で帰ってきたのはやはり8年ぶりの長財布。
この長財布は私が初めて手掛けた本格的な製品。
それゆえに再会した時には熱いもの込み上げてきました。
たくましく成長して帰ってきた我が子に感動する親の気持ち。
オーダー財布は黄色い革をアクセントに
メンテ話が続きましたが、
今回、新しい財布のオーダーも頂戴しました。
依頼主様のこだわりを詰め込んだ春財布。
内縫いで仕上げたLファスナーで赤の切り替えがアクセント。
素材は栃木レザープルアップ(ブラック)
栃木レザーのプルアップはオイルを含み、その独特の柔らかさは使い始めから手に馴染みます。
内装にさり気なく仕込んだ黄色い革が金運UPを約束か?
この黄色いパーツは小銭ポケット。
その両サイドにはお札やカードをイン!
正直な話をさせてもらうと、ヌメ革の内縫いはひっくり返す時が大変なんです。
普段は外縫いでコバ(切り口)を見せる作品ばかりなので内縫いも新鮮で楽しいですけどね。
最後に余談ですが、3月12日は「サイフの日」なんです。
買い替えはしないまでも、その日はご自分の財布をスリスリほおずりしたりクンクン匂いを嗅いでもいいかも知れませんね。
昨年の記事ですが、一般社団法人日本皮革産業連合会のサイトより↓